産科0地域に、待望の助産院!「海とつき」にお邪魔しました。

昨日はポスティングと所用の合間に、新たに真鶴町に開院した助産院「海とつき」さんの内覧へお邪魔させていただきました。


 長らくこの地域には出産を扱ってくださる施設がなく、一人の母親としてこんな場所を待ち侘びていました。

助産院のプロジェクトがあるとお聞きしてから約5年、皆さんの強い想いが形になった場所のご案内をいただけて、本当に嬉しかったです! 

/左: 助産師の岩田美也子先生、

 右:誘致にご尽力された土屋由希子さん (地域政党ゆがわら代表 / 「海とつき」ボランティアスタッフ) 



 これまで、真鶴町やお隣の湯河原町、箱根町で子供を授かった皆さんには小田原か熱海の病院での出産(もしくは里帰り出産)しか選択肢がありませんでした。


 私自身のお話をすると、真鶴へ来てから1年半後、子供を授かったことがわかりました。 

長らく難しいと言われてきたので、家族で涙を流して喜びました。 


 その後、小田原の個人病院で出産させていただきましたが、出産医院を選ぶ時には様々な面で本当に迷いました。 


「 新生児からお父さんにもしっかり触れさせてあげたい!」「真鶴町で育てたい!」という思いが強かった私は、長野県への里帰り出産は希望せず、この地域の選択肢の中から小田原の産科医院を選ぶ事にしたのですが…


 最初の妊娠確定の診断を受けたあと、想像以上に沢山ある妊婦健診。 

ほとんどの産科医院には分娩予約金というものが存在し、まだお腹の赤ちゃんが豆粒のように小さなうちに 'どこで産むのか' という選択を迫られます。 

それもあり、妊娠中に一度決めた医院からの転院はなかなか難しく、初診に伺う前の時点でかなり慎重に選ばなければならないという現実がありました。


 選ぶ産院によって、妊婦さんに対する対応もお金の面でも全く違うそうですし (出産経験=1のため、ママ友の皆さんから聞いてきたお話で申し訳ないですが) お産の時だけでなく、その前後の数ヶ月ずっとお世話になる場所、自分と子供の命を預ける場所です。

病院選びと先生選びは本当に大切です。


 なんとか病院選びは終えたものの、妊娠中は「自分の体とは思えない!」というほど、日々変化する体調との闘いでした。 

絶対安静を言い渡され、不正出血やお腹のハリ(収縮)も収まらず、妊娠途中に入院や手術もすることとなったハイリスク妊婦でしたが、地域に産院がない事で折に触れて何度も小田原まで移動をする必要がありました。 (ひどいつわりで食事が取れなくなり、栄養の点滴をしていただく為だけに何日も電車で通院したことも…) 


 主人だけでなく、実家の両親も幾度となく仕事を休んで真鶴まで駆けつけてくれ、運転手や家事を代行してくれて、守られていった我が子の命でした。 


 少しの移動も辛いそんな時期に、これほど近くで産前産後のケアまで受けられる施設があったらどれほど良かったか!


 /イベントスペースにも使われるという掃き出し窓の大きなお部屋。居るだけで幸せな気分。



 そして、私自身の出産は(主治医の先生には恵まれたものの)、正直なところ ’幸せなお産’ とは言い難かったように思います。


 コロナ禍真っ只中の2020年、主人はおろか先生方や看護師さんたちですら、必要最低限しか分娩室に入れないという時期で、陣痛が来てから約30時間のお産のほとんどの時間を、沢山のモニターと強烈な痛みと共に一人で過ごしました。長かったです。本当に孤独でした…。


 そして出産後数日で、こんなに辛いのに??という状態で帰宅となり、寝る時間のないお世話の日々がはじまりました。 

出産した医院は産後3ヶ月まで母親が子供を預けて休憩を取れるというチケットを付けてくださっていましたが、それを使うために乳児を連れて小田原まで行くなどという余裕は、初産婦の私には全くありませんでした。



 昨日、助産院「海とつき」を訪問させていただいて、開院された岩田先生のこだわり抜いた(今後の可能性まで全て詰め込んだ)素晴らしい施設も去ることながら、

「こんなに妊婦さん、産婦さん、赤ちゃんの事を第一優先に考えてくださる先生にお願いできていたら、私もどれほど幸せだっただろう」と感じました。

 岩田先生の長年のご経験に基づく妊娠出産についてのお話も、目から鱗がボロボロと零れ落ちそうなほど。 

先生はこれまでも沢山のママさんの支えであったのだろうなぁ、と思いましたし、今後はこの地域 'みんなの母'となってくださる方なのだろうなぁ!と、とても嬉しく思いました。


 近年、妊産婦でなくとも助産院に関するニュース、無痛分娩に関するニュースなどを耳にする機会は多かったと思いますが、昨日感じたことは、「やはりどの業界も、十人十色なんだろうな」ということです。 

 妊婦さんや産婦さんはもちろん、「産院や先生を十把一絡げにまとめてはいけない」と、岩田先生のお話を聞いていて再確認しました。 


 いつの時代も、子供は未来を育む希望、地域だけでなくこの世界の宝だと思います。

真鶴町も、命が正当に守られ健全に育まれる地域であって欲しいと、強く願う1日となりました。


 内覧会は明日4月11日まで、12日にはオープニングセレモニーが開かれるそうです。

今後もイベント等でオープンデーが設けられるということですので、チャンスがあれば是非一度ご覧になって、岩田先生の思いに触れて戴きたいです。


 本日は、'本当に素敵な先生と助産院が、この真鶴の地に来てくれたと、町民の皆様にお伝えしたい!' というブログでした。


/こだわりの大きなお手洗い。

トイレでの出産を望む方がいるということは、助産業界では’あるある’なんだそう。 重力に逆らわず産む事や、水中出産なども、希望に応じてご対応くださるそうです。

(なんとこの1軒の中にトイレが4箇所も!これがどれほどありがたことか、お母さん方には伝わるはず)


 /こちらのキッチンで、岩田先生自らお食事を調理してくださるのだとか。 

産前産後、私個人は初めての乳幼児育児以上に毎日の家事がとても辛かった記憶があり「みんなのお母さん代わりだから」とおっしゃる岩田先生に涙が出そうでした。 

(キッチンも1Fと2Fの2箇所にあり、ファミリールームとしての解放も可能だそうです!)



/診察室と料金表。 

医療機器が全くないわけではないですが、胎児の状態だけでなくお母さんとの対話を大切になさっているそうです。

もしもの時も嘱託医療機関があり安心です。


/母子だけでなく、父子同室。

希望があればお父さんも泊まれる、落ち着いたお部屋。 

(ここだけではなく5床ご用意されているそうです。)


 インテリアも岩田先生が選ばれているそうですが、院内全部が 'アットホーム'。

 病院!という感じがなく、とてもリラックスしてお産に望めそうな素敵な 'お宅' でした。



 *ちょっとした裏話* 


 内覧会開始以来、ずっと訪れてみたいなぁと思っていたものの、岩田先生とは直接の面識がなく、また、大変精力的に動かれているご様子だったので、ただのファンとしてSNSの投稿を追いかけていました。 

 それがまさかの… 訪問の直前、たまたまランチを買いに寄った町内のパン屋さんで、目の前のドアが開いたらそこに岩田先生が! 

予期せぬ初対面に、「あ!岩田さん!!」と言ってしまったものの、岩田先生はもちろんキョトン顔でした。 (突然知らない人に名前を呼ばれたらびっくりしますよね。苦笑)

 慌てて自己紹介と本日伺わせていただく事をお伝えして、本来の予定に戻りました。


 「海とつき」に伺い次第失礼を詫びたら「誰だったかなー会ったことないなーと思いましたよー!」と明るくお答えくださいました。 

訪問早々、岩田先生の屈託ない笑顔に救われた私でした。


←堀あんなからの手紙 -WEB- HOMEへ


堀あんなからの手紙 -WEB-

親しい人に手紙を綴るように、 真っ直ぐに今の '堀あんな' と '真鶴町に願うこと' を届けます。

0コメント

  • 1000 / 1000